知っておきたい著作権(1)
著作権が引き起こす問題
IT技術が発達し、インターネットを通じてさまざまなコミュニケーションが活発になるにしたがって、大きな問題としてクローズアップしてきたのが著作権である。これまでの雑誌や新聞、テレビといった媒体では、著作権の専門家がおり、出来上がったものが著作権の侵害がないかどうかチェックを行っていた。そのため一般的には著作権を意識する必要はなかったと言って良いだろう。そのため問題というと、企業などが新しい商品やサービスを開発する際など、類似したものがないかどうか、などで十分であった。
しかし現在、特殊な技術などがなくても、自由にユーザが情報を発信することも可能であり、またインターネット系の企業の中には体制の不備などもあり著作権を侵害し、さらにそれに気づかずに放置してしまった結果、後々に大きな問題を引き起こすケースも目立ってきた。そのためインターネットに携わる人は、最低限の著作権の知識を身につけることが必須条件になると言って良いだろう。
図表1 警察庁発表データより

図の1を見て分かるように、著作権の侵害による検挙の件数は年々増加しつつあり、それはIT技術が世の中に浸透する速度と比例している。ただこうした検挙件数などは、犯罪として表に現れた部分だけであり、非常に悪質なものに限られている。問題は犯罪とは言えないが問題を引き起こすケースだ。
著作権のいろは
著作権について知るには、まず著作権法がどのような法律家知らなければならない。大きくわけて著作権法は知的財産権に含まれる。ここで注意していのは、知的財産権のうち、産業財産と呼ばれる特許権や意匠権、商標権などは登録により権利が発生する。しかし著作権は登録などは必要なく、著作物が創作された時点で権利が発生することに注意しなければならない。
権利の発生は著作物の創作で、消滅は著作者の死後50年と規定されている(映画の著作物は70年)。つまり手塚治虫氏の作品の著作権は、氏が死亡した1990年から50年間、2039年12月31日まで著作権法により保護されている。
またアメリカの著作物は、ちょっと複雑だが原則死後70年、法人著作の場合は95年とされている。以前は75年だったのだが、1928年に発表されたミッキーマウスの著作権切れが迫っていたことから、ディズニー社のロビー活動により著作権延長法が制定され、95年とされたため、ミッキーマウス保護法と呼ばれることもある。
(※ミッキーマウスの名称や図形は商標登録されているため、著作権が切れた後も商用目的で使用することはできない)

またここでいう著作権法における著作物とは……、
「個人の思想や感情を創作的に表現したものであって、文学、学術、美術、又は音楽の範囲に属するもの」
と定義されている。
ここでいう主な著作物とは、(1)文章、(2)音楽、(3)画像、(4)動画、の4つである。
つまり他人が作成した文章や撮影した写真や動画などを、勝手に使用した場合、著作権法違反になってしまうのである。これは「当たり前」のことと考えているかもしれないが、ネット上では非常に多い。例えばブログなどからYoutubeに投稿されている画像を見れるようにした場合、他人が作成した動画などをアップしてしまえばアウトとなる。以前、ある企業の社長が作成していたブログなどで、このようなことが行われており、ネット上で問題として指摘されたケースもある。
ネット上では著作権侵害があまりにも多いため、感覚が鈍くなり、簡単に引用などをしてしまいがちなため、注意が必要だ。
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