価格戦略マーケティング
いうまでも無く、価格の決定はその後の事業展開において非常に重要な要素である。価格を決定するということは、製品やサービスの価値を決定付けることであり、消費者の反応がダイレクトに反映される。近年のような不況時には特に、この価格戦略が、事業の成否を分けるポイントとなる。
そこで以前であれば、製品などを開発した後に、コストに見合った価格を決定するという価格の付け方が主流であったが、近年では価格を決定したのち、その価格で利益が上がる商品を開発する、などの「価格戦略」が中心にあるマーケティングが多く見られるようになった。
そこで以前取り上げた価格戦略マーケティングでは、少ししか触れることができなかった、価格決定の方法などについて解説していこう。
利益の最大化
価格戦略を展開する上で、忘れてはならないのがマーケットシェアの拡大と維持である。
もちろん、価格戦略とは利益の最大化が目標である。しかし商品を単体で見た場合と、マーケットで見た場合では、利益の概念が変わってくる点に注意をしなければならない。
例えば自社で開発した1台のパソコンが、最大15万円で売れるとしよう。製造・コストにかかる費用は8万円の場合、15万円で販売できれば7万円の利益が上がる。商品を単体で見た場合、確かに15万円での販売は利益の最大化をもたらす。しかしマーケットを見た場合はどうだろうか。仮に同程度の性能のパソコンが、競合他社から同じ15万円で出ていた場合、7万円の利益を5万に減らし、13万円で発売すれば競合他社のシェアを奪うことができるだろう。15万円で販売したときに比べれば、売上高などは減ることになるが、ゆくゆくは会社にとって大きな利益をもたらすかもしれない。
つまりは「売上高の増大≠利益の増大」という状況である。
価格戦略マーケティングにおける利益の最大化とは、単なる売上の増大ではなく、企業の戦略にあわせた利益の確保、であることを忘れてはならない。
価格決定のメカニズム
こうしたことを踏まえ、ではどのように価格を決定すればよいのだろうか。その方法はいくつかあるが、その代表的なものを紹介しよう。
コストプラス法
以前に説明した、商品の開発や流通などのコストに、利益をプラスする価格決定の方法である。
長所としては、売れれば確実に利益が上がるというところだ。そのためコストプラス方式で価格を決定した後は、いかに多く販売するか、という戦略が重要となってくる。

しかし、実際の市場には競合他社が存在する為、競争の概念を踏まえて考えると必ずしも望ましい方法とは言えなくなってきている。
需要ベース法
この方法は、消費者が商品に対して「いくらなら支出するのか」をベースに価格を設定するやり方だ。つまり商品にどの程度の価値を認めているのか、が基礎となるのである。これは商品に大きな付加価値がついている場合などは、非常に有効な価格決定のやり方だろう。例えばビンテージものや美術品、高いブランドイメージを持つ商品などがこれにあたる。
消費者が高い価値を認めているものであれば、コストを大幅に上回る利益を乗せて価格を設定することが可能だ。反面、製品のイメージや価値を高い状態で維持する必要があり、そのためのコストがかかってしまう。また、消費者のイメージが崩れてしまえば、製品の価格も暴落してしまうのである。

模倣的価格決定法
これは市場の慣習的価格や、プライスリーダーである企業の価格に追随して価格を設定するやり方である。例えば缶ジュース類であれば、120円、ペットボトルであれば140~150円が慣習的な価格であるといえるだろう。そのため消費者は、慣習的な価格の商品に対しては、抵抗無く購入する。
そのため新規参入する場合には、この慣習的価格か、もしくはそれより少しだけ安い価格をつけることになる。これは家電業界など、力関係で製造より販売のほうが比重が強い場合などで多く見られる。
この価格決定法の利点としては、価格設定が単純であるということがあげられる。慣習的価格・プライスリーダーに追随した価格であれば、一定程度の販売を確保することができるだろう。反面、コストが価格に反映されていない点が懸念材料である。原材料の仕入れなどでコストが変動する場合などは、急にコストが上がってしまい、販売しても利益を確保することができない、といった危険性もある。
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