セミナー・勉強会 2019年4月16日

前回よりもさらに熱く。PWAの未来を考えよう!PWA Night vol.2 開催レポート


2月20日に第一回目が開催されたPWA Night vol.1、2回目であるPWA Night vol.2が3月20日に開催されました!

PWA Nightのコンセプトは「PWAのミライや活用方法をみんなで考えよう」
これに共感できる方は誰でも参加可能のコミュニティです。

前回以上に熱気あふれるイベントとなりましたので、レポートをお送りします。なお、こちらの様子はTogetterでもご覧いただけます。
 

PWA to APK 〜ネイティブアプリとの融合〜 by 進藤さん@日本Androidの会

トップバッターは日本Androidの会の進藤さんからお話をいただきました。

先日Google Chrome 72がリリースされ、PWA向けの機能が強化されたそう。PWAがGoogle Play Storeに載せられるようになったり、デスクトップPWAのサポート、さらにTrusted Web Activityが実装されました。
また、PWAがAPK化できるようになり、ウィジェット化が可能になったり、wear OSやAndroid Autoなどへの拡張、Google Play Storeでインストール履歴として確認できるようになるといったメリットも生まれました。

TWA(Trusted Web Activity)はAndroidアプリ内でGoogle Chromeを全画面表示し、URLバーなどを表示させない機能です。アプリとサイトが同じ開発者によるものだと保証しなければならないなどの条件はありますが、ネイティブとWebを融合したアプリを提供する際には欠かせない技術になりそうです。

さらにPWA2APKというサービスも出ており、実際に進藤さんも試されたそう。リアルタイムにAPKが生成されるのではなく、数日後にメールが送られてくる仕組みです。

PWAとAPK、Webとネイティブを連携させる際にはデータ連係であったりWeb側の実装での工夫もまだ必要とのことですが、Webをさらに活かすためには必須のテクニックになりそうです。
 

日経電子版とPWAのこれから by 宮本さん@日本経済新聞社

次にお話いただいたのは日経新聞の宮本さん。2017年11月にリリースされ、PWAの代名詞ともいえる日経電子版。2019年6月にさらにリニューアルが行われるのだそう。

PWAとSPA(Single Page Application)はよく一緒に語られますが、この二つはイコール(または両方必ず対応するもの)ではありません。SPAはPWAになれますが、PWAはSPAでなくとも問題ないのです。実際に、日経電子版はMPA(Multi Page Application)ながら、PWAとなっているそうです。


日経電子版とPWAのこれから from Sho Miyamoto

また、PWAをよりよく作るための情報サイトとしてweb.devを紹介いただきました。

他にも日経電子版をリニューアルする上で躓いた点を細かくピックアップしお話くださいました。
例えばキャッシュの削除、ユニバーサルリンクになっていないための認証、OAuthで別ドメインと判定されてWebブラウザが立ち上がってしまうといった問題があったそう。
SafariはPWA向けの機能がまだまだ不十分ですが、iOS12.2で大幅な改善が見込めそうとのことです。また、デスクトップPWAについても可能性が十分にあり、期待しているのだそうです。
 

Googleトレンドから振り返るPWA by tomokoさん@PWA Beginners

tomokoさんからは、PWAに関する話題と合わせてGoogleトレンドの変化を読み取っていくというお話をしていただきました。
PWA自体は2017年9月くらいから盛り上がり始めたそうですが、これはSafari Technology Preview 64やWindows 10 Insider Preview Build 17063でService Workerが使えるようになったことで、注目度が高まったところに由来するようです。

さらに2018年夏頃にはiOS 11.3/Safari 11.1でもService Workerが使えるようになり、AndroidとiOS双方で使えるようになるとあって注目度はさらに上昇。また、Google ChromeではデスクトップPWAを一部サポート開始し、利用範囲の拡大を感じさせる動きが広がっています。
その後2018年末頃に一旦熱が収まり、PWA Beginnersでも”ネタ尽き感”があったそう。しかしながら最近ふたたびGoogle Play StoreでPWA配信であったりGoogle Chrome 73でデスクトップPWAに完全対応したことで再注目されてきていることがGoogleトレンドから読み解けました。
 

LT大会

メインセッションの後、3名の方にLT登壇いただきました。


LTトップバッターはシックス・アパート長内さん。“IndexedDBのラッパー「localForage」を使ってみる”が今回のLTテーマ。
IndexedDBのラッパーであるlocalForgeはパフォーマンスも優れており、Google ChromeではWebStorageよりも高速とのことです。一方でFirefoxの場合はsessionStorageの方が高速という結果になったそう。


IndexedDBのラッパー「localoForage」を試してみた from Takeshi Nick Osanai

 
LT二つめは技術的な話からは離れ、この会「PWA Night」のロゴ誕生秘話をTAMの安成よりお話させていただきました。

PWA Nightのコンセプトでもある「PWAの未来を考える」というポイントから「未来的」かつコミュニティであるがゆえの「フランクさ」を踏まえて作ったのだそう。
なお、メインキャラクターの名前は、Twitterハッシュタグ#pwanight名前募集で募集(募集は4/10で締め切り)し、Vol.3で名前が発表されます!
 

最後にこちらもTAMの知念から飛び込みでのLTです。


自作の単価計算機をPWA化したという話題で、PWAだからといってあまり大ごとにせず、できるところからはじめよう、というお話をさせていただきました。つい大げさに感じてしまいがちですが、まずはごく小さなものを作ってみて、そこから徐々に改善していくのがPWAの未来のあるべき形ではないでしょうか。


家庭で使えるPWA from Chinen
 

懇親会

その後、同会場で懇親会も行われ、30名を超える方々に参加いただきました!PWAに関する興味ごと、課題などを共有する素敵な場となったようです。

 

次回のPWA Night

PWA Nightは毎月第三水曜日を目標に開催を予定しています。
次回(vol.3)は4月17日に開催。
すでに申し込みは締め切らせていただいておりますが、今後も毎月開催予定ですのでぜひチェックお願いいたします!
https://pwanight.connpass.com/

また、PWA Nightではオンラインで話せるSlackを開設しています。PWAに興味がある方はぜひご参加ください。

PWA Night – Slack

◇TAMのPWA開発支援はこちら
https://www.tam-tam.co.jp/pwa/

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