セミナー・勉強会 2020年9月7日

“かじる”Z世代?ソーシャル・リバースメンタリング社内オンライン勉強会公開レポート

TAMでは水曜日のお昼に定例のオンライン社内勉強会を開催しています!
社内外から登壇者やゲストを迎え、SEO対策や動画の制作依頼方法など、様々なテーマを学んでいます。
今回のテーマは、” リバースメンタリング ” 。
今年4月に入社した広告チームTAMKOの岸本がプレゼンターとなり、自身も当てはまる”Z世代“について調査し、価値観の考察や、TAMスタッフの傾向をリアルな観点から発表してくれました!
そんな社内勉強会の様子を公開レポートいたします。

プレゼンター

岸本 拓己
広告チーム TAMKO アカウントプランナー
鳥取県出身 1997年生まれの「Z世代」
山口大学在学中に起業し、飲食店2店舗経営を経験。今まで出会ったZ世代の数は約600人。
その後フィリピンへインターンし、2020年帰国後TAMへ新卒入社。

Z世代って?

1996年以降に生まれ、2020年現在24歳以下のもの。
Z世代の特徴として、「許容力/非執着性」,「二面性」,「不完全性」,「かじる」といったことがあげられるのだとか。
世代としては、デジタルネイティブ世代
今回の勉強会では上記の特徴を順を追って解明していき、Z世代の感覚・価値観を共有していきます。

Z世代の特徴1:許容力(受け流す力)

数ある誹謗・中傷、炎上が溢れるSNSの世界で過ごしていくには、自分とデジタルの世界をうまくコントロールして距離を置いたり、情報を受け流す力が必要です。
デジタルネイティブであるZ世代は、自己を形成する10代の頃からめまぐるしく情報が回る世界に触れているからこそ、許容力が備えられているのだとか。
また岸本は、許容力や受け流す力があるからゆえに、コロナに対するいろいろな環境の変化・対応にポジティブな印象が出ているという調査結果や、世界の価値観を調査したデータで、同性愛に対する理解度が日本人の20代は世界一である、というデータをシェアしてくれました。


勿論、なんでもかんでも受け入れられるわけではありませんが、幼い頃から許容力を身につけているからこそ、様々な社会的事象に対しても寛容にポジティブにいられるのかもしれません。

Z世代の特徴2:個人と他者の二面性をもつ

Z世代はあらゆることをオンラインで体験してきました。
オンラインでなんでもできる時代に生まれたからこそ、自分にしかできない体験を求めています。(=個人
(Z世代は広告もパーソナライゼーションされたものを好む傾向があるそう。)
また、デジタルネイティブ世代は高度なウェブリテラシーの元、ウェブルーミングを行う特徴があり、購買行動を行う際はその商品やサービスについて徹底的に調べます。
そこで何を参考にするかというと、友達やインフルエンサーなどの他者意見、いわゆるUGCに依存する傾向があるそう。(=他者
こういった点から、Z世代は、個人と他者、両方に関心の重きをおいており、どちらにも関心が向いているのが特徴です。
Tiktokの調査でも(出典:「Z世代白書(2020.6)」)、25歳以下は「人からどう思われているかが気になる(=他者)」という傾向がある反面、「人と違う個性が重要だと思う(=個性)」とも思っていることが分かりました。


岸本自身も、「普通のことやってちゃだめだ!」と思いながらも、「でもみんなああいうことやってるしな〜」と思うことも多々あるのだとか。
Z世代の二面性が現れているといえます。

Z世代の特徴3:不完全性

Z世代は、完璧なもの・完成されたものより、失敗した部分やネガティブな部分があったりするもの、日常的な親しみやすさがあるもの、手作り感に好感を抱く傾向があります。


逆説的に、完璧に出来上がったものに対しては「これ本当なのかな?」という疑いの目を持ってしまう、近づきがたい・親しみにくいと思うのだそう。

Z世代の特徴4:かじる

ここまでのZ世代の特徴それぞれをプロットしてみると、「かじる」という価値観が見えてきます。
デジタルネイティブ世代は幼い頃から様々な情報に触れてきました。そんな中で、一つの観点だけで情報の中をやりくりするのも、全部のことに一個一個真剣にぶつかっていくのはとても難しい。
そういった部分から、多面的な部分が出てきたり不完全性に魅力を感じたりするようになって、価値観の多様化が広がっていった皮切りに集まったのが「かじる」の背景です。
「自分の価値観ってなんだ?」「自分ってほんとは何が好きなのか?」といったところを見つけるために、あらゆるものにチャレンジしてみる・試してみる=「かじる」という特徴があります。

Z世代の特徴5:非執着性

「かじる」とかぶる部分がある特徴ですが、様々な価値観と自分の興味関心を照らし合わせるために、つまみ食いのようにいろんな物事をかじっていく。
ゆえに、ひとつの物事に執着せず、いろんなことを試していく特徴があります。
なんでもオンラインで手に入る・知ることができる時代に生まれたからこそ、自分の本当の興味関心はなんなのかを知るために、いろんな物事に執着せず、かじりながら探っていくのですね。

ソーシャル・リバースメンタリング

Z世代の特徴がわかったところで本題の ソーシャル・リバースメンタリング にうつります。
ソーシャル・リバースメンタリングとは、岸本が定義した造語で、 異なる世代間で、社会的事象に対して抱く感覚、価値観を共有する こと。
今回の勉強会では、異なる世代間=Z世代のこと。
Z世代の特徴を頭に入れておいて、日々を過ごす。「こんな若い子がこういうことを話すんだ」「この世代の方がそんな風に物事を考えているんだ」など、いわゆるギャップを知ることで相対的に自分の行いに目が向けられる。
こういった勉強会の場や、日々の生活の中で体験したこと・聞いたこと、知ったことを頭に入れておくことで、周りの人の行動や思考に対する見方が変わります。

TAM内の世代別の特徴は?


岸本は、コミュニケーション・SNS・風俗に関するアンケートを社内で実施。
TAM内だとどういう特徴があるのかも調査してくれました!

▼ コミュニケーション:オンライン・リアルでのコミュニケーションについて考えが近いものは?


オンラインとリアルではコミュニケーションに長短があるという回答が大半でしたが、特筆すべき点は、「オンラインでは度々不便なことがあるけど、日常のコミュニケーションの大半がオンラインになっても支障は無いと考えている」と回答した人が全員1990年以降に生まれた人(=ミレニアム世代以降)であったということ。
幼い頃からデジタルに馴染みのある20代・30代は、コミュニケーションの方法はオンライン・オフライン、どちらでも大差ないと考えているのかもしれません。

▼ SNS:一部の切り取った自分を表現したアカウントor自分自身を表現したアカウント、どちらが好き?


どちらでも無いという回答が多かったが、一部の切り取った自分を表現した、専門性に富んだアカウントに好感を持つ、と回答した人は全員ミレニアム世代以降でした。
また、「Z世代」を研究対象としたシンクタンク組織・Z総研のZ世代のゲームに関する調査で、ゲームの情報収拾でYouTubeなどを利用する際、特定の実況者を決めずに見ることが多い、というデータが出ています。
若い世代ほど、欲しい情報をパッと調べて手に入れたらおしまい、という特徴があるのかも?しかし、これは世代にかかわらず誰でも欲しい情報はすぐ手に入れたいと思うはず。
TAM内に限らず別の場所だったらまた回答が変わってくるのかな?という部分でした。

▼ 風俗:自身とジェンダーが異なる相手に性関係を求められた際にどうする?


物質的な部分が許容できれば応じられると回答した人の70%がミレニアム世代以降でした。
世界価値観調査のデータでは、全体として婚前前交渉に対して容認傾向がありました。しかし、18~29歳は意外と保守的な一面も。TAMは婚前前交渉に対してポジティブな意見が多かったので、全体の結果と相違がありました。

▼ 調査結果


TAMでは全体として世代別のステレオタイプ的な動向はあまりありませんでしたが、一部分に関しては寛容性や許容力が顕著に現れていました。
TAMには「違いを認め、相手を尊敬する」「思いやる心>ルール」というクレドがありますが、そのクレドを大切にしているからこそ現れた結果なのかもしれません。

最後に:「グラデーション」

体験したことや知ったことを頭に入れておくことで、周りの人の行動や思考に対して見方が変わります。
それを岸本は グラデーション と表現しています。


例えば、草食動物はとても視野が広いですよね。それは、獲物や危険を認知するためです。知ることで、逃げる・安全という判断ができるのです。
ゆえに、知ることは理解や行動につながります。このような場で様々な価値観を知り、受け入れることが重要です。
認知することで良し悪しを決める、というわけではなく、認知し、それを受け入れる。そして自分の価値観・視野を広げる、ということこそが大切なのですね!

世代を超えてお互いの理解を深めることはダイバーシティ&インクルージョンにとって非常に重要!
異なる世代と価値観を共有し、お互いに受け入れていくことの大切さを再確認した社内勉強会となりました。

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