TAM社長が台湾に聞きにいく デジタル・トランスフォーメーションへの道!

台湾で聞いてみた!異文化チームで新しい挑戦をつづける秘訣

台湾政府公認のすぐれた台湾ブランド製品に授与される「台湾エクセレンス賞」。台湾貿易センターさんは、その賞の運営を担っています。TAMは2018年から、台湾エクセレンス賞の日本向けPRをお手伝いしてきました。SNS運用から始まり、トークイベントやテレビドラマ制作、VRワールドの構築など、毎年新たな施策を展開しています。台湾貿易センターさんとTAMが、言語や文化を超えて新たな挑戦をし続けられる背景には、どんな工夫があるのでしょうか?TAM社長が聞きにいく、初の海外取材!台湾貿易センターさんの台北オフィスにおじゃましました!通訳:王文君(Gina Wang)、蔡昀儒(Alina Tsai)撮影:湯琮詰(Chris Tang)、編集:佐藤佳穂

*「台湾エクセレンス賞」とは…
1993年に台湾の経済部(日本の経済産業省に相当)によって始められた、優れた台湾ブランド製品に贈られる賞のこと。台湾産業界のオスカー賞とも呼ばれています。研究開発、デザイン、品質、マーケティングにおけるその卓越性に基づいて選出され、製品に台湾エクセレンスのロゴがあればその製品は信頼できて購入する価値があると言えます。

台湾貿易センターさんとTAMの仕事
この記事の登場人物

チャレンジ文化は台湾の国民性?

プロジェクトメンバーでもあるTAM台湾のGinaとAlinaが日本語・中国語を巧みに操り、通訳してくれました!

TAM代表 爲廣(以下、ため )

你好(ニーハオ)!今日はお会いできて光栄です。

Gloriaさん(台湾貿易センター)

日本からはるばる台北まで、ありがとうございます!

ため

こちらの台湾貿易センター、写真で見たことはありましたが実際に見ると、思っていたより高さがありますね〜

台北の中心地にある、台湾貿易センターにおじゃましました!

ため

日本にも「グッドデザイン賞」というのがあります。「台湾エクセレンス賞」も、それと近いものと考えていいのでしょうか?

Leeさん(台湾貿易センター)

はい、そうですね。
ただ台湾エクセレンスは、デザイン以外にも審査の観点があって、研究開発・マーケティング・品質を含めた4つの項目で、優れた製品に賞を贈っています。

ため

それは審査も、賞の運営も、大変そうです。
ちなみに、どんな意図で設立された賞なのでしょうか?

Leeさん

「台湾のいいもの」を、海外にも自信を持っておすすめできる「お墨付き」としてブランド化して伝えていくことが狙いです。現在は、9カ国で展開しています。

Gloriaさん

9カ国それぞれ、言葉も文化もちがうので、同じものでも伝え方を変えないといけません。

ため

それは海外に伝えるとき、つきまとう難しさですね。
「日本向け」は他国とちがいがありますか?

Leeさん

やっぱり、日本の人は品質に対する意識が高い!
ていねいなコミュニケーションが必要だと思っています。

Gloriaさん

他国だと1時間で終わる取材が、日本だけ6時間かかったこともあります(笑)

ため

えっ、そのプラン、TAMがお手伝いしているんですよね?市岡くんがこだわりすぎなんちゃう!?

市岡(TAM)

いえいえ、台湾エクセレンスにとって、ベストなものを目指しているだけです!
日本の人により伝わるようにするにはどうしたらいいか、いつも考えています。

ため

そらそうか〜。ちゃんとやってるんやな。

Gloriaさん

台湾エクセレンスでは毎回新しい施策に挑戦しますから、TAMさんにはいつも頑張ってもらっています。

ため

常に新しい取り組みをされるって、すばらしいですね。
けど「毎回」は、正直、タイヘンやなあ・・・(あ、Gina、後半は通訳せんでええよ。)

Gina(TAM)

もう通訳しちゃいました!(笑)
台湾の気質ですかね・・・文化的にも、台湾は新しいチャレンジをすることが多いかもしれません。

Leeさん

「イノベーションが彩る世界」を目指して、新しさ感じるものに賞を贈っていますから。
それを広める自分たちも、いつも新しいことをしていないと、と思っています。

ちなみに台湾には「與時俱進」という四字熟語があります。「時代とともに進む」というような意味です。
時代とともに新しいチャレンジをしています!

言語のちがいを超えた「翻訳」でプロジェクトを進める

2023年に新たにチャレンジしたVRイベントでの、スピーチの様子。

Gloriaさん

とはいえ、いつも「(私が思い浮かばないような)新しいアイデアを提案に入れてください」と依頼するので、TAMさんは大変ですよね(笑)

市岡

Gloriaさんの強いご要望を台湾から受けて(笑)、日本でがんばっています。

ため

提案の内容は、文化がちがってもすぐ理解していただけるものなん?

市岡

「何が台湾エクセレンスのためになるのか」をけっこう話し合います。それで、お互いに理解を深めていく感じです。

ため

「新しい」「おもしろい」アイデアを、ちゃんと目的につなげて考えるってことやね。

前田(TAM)

Gloriaさんからも「この部分の目的は?」とか、するどいツッコミのような質問がありますから(笑)。でもそれで、お互いにブレない共通認識ができます。

Gloriaさん

自分が社内で説明する必要もあって、必死なんです(笑)
せっかくの企画、実現させたいので。

Gina

Gloriaさんは最近も、日本のドラマを観られてたり、日本のこともすごく理解しようとしてくださってます。

Gloriaさん

TBSドラマとか、大好きです!

ため

よその国でやる施策で、しかもやったことのない挑戦の実施を決断するのは大変ですよね。
工夫されていることはありますか?

Gloriaさん

重要な部分は数字をつかって説明します。国がちがっても、数字は共通言語ですから。

ため

たしかに、言葉や文化がちがうと、数字は共通言語として重要になりますね。

Gloriaさん

逆に、形容詞は共有するのが難しくって。
人によって受け取り方がちがうので、伝え方をTAMさんと一緒に考えてます。

Gina

日本で「人気な」テレビ番組、「有名な」芸能人、と言っても程度が伝わらないですから。「台湾の〇〇テレビに相当します」と言い換えたりします。

Gloriaさん

前も一度、「24時間テレビのような企画です!」と(私は知ってるので)言いたかったときがあったんですが・・台湾には24時間テレビがないので、通じませんでした(笑)

ため

言語の「翻訳」だけじゃなくて、「相手にあわせて、噛み砕いていく」ってことやね。

目的を共有するためのコミュニケーション

Gloriaさん

昨年は日本橋でイベントを実施したのが印象深いです。
TAMさんに相談したのがイベントの1ヶ月前で、時間がなかったのですが・・・

ため

1ヶ月でイベントを企画から準備するのは、台湾か日本かに関わらず、オオゴトやね〜(笑)

前田

はい、大変でした(笑)台湾エクセレンスの製品を展示・販売した「ポップアップストア」を盛り上げるために、トークイベントを企画しました。

市岡

イベントの企画と実行だけでなく、当日の撮影や、SNSの運用もTAMが担当させていただいたんですよね。

コレド室町テラス 誠品生活日本橋で開催したイベントの様子。

ため

日本人はこだわりが強い言われてるけど、スピード実施もできるんや、と。

Gina

クオリティはもちろん大事ですが、柔軟に対応していきたいです。
トレンドの変化も激しいですし、Gloriaさんたちの社内でも常に状況が変わっていますから。

ため

お互いの理解があってこそできることだと思いますが、ここまでの関係にどうやってなったんでしょう?

Gloriaさん

はじめは、緊張しましたよ(笑)
日本の人は品質が高いのが当たり前で、依頼するこちら側も「完璧な指示」が必要かな!?と。
台湾だったら、進めながら一緒に考えていけるのにな〜と思っていました。

ため

市岡くんが緊張させてるんとちゃう!?

Gloriaさん

いえ(笑)、TAMさんは、やりながら一緒に考えてくれたり、柔軟に対応してくれます(笑)

ため

「一緒に考える」はまさに我々TAMが大事にしていることです。

Gloriaさん

あれっ、TAMさんはなんだか台湾っぽいのかもしれませんね?

ため

台湾とTAMは似ているところがあるのかもしれません(笑)

前田

国を超えて何かを共有できるのは、いいですよね。
イベントで、台湾好きの日本の芸能人やインフルエンサーをお呼びしたとき、みなさんの「台湾愛」がとても強かったのを思い出します。

ため

「偏愛」やね。

Gina

でも前田さんはあの仕事、苦労してそうだったけど(笑)
いろんな関係者の人たちと、やりとりしないといけなくって。

前田

やりとりに苦戦しましたね(笑)コロナ禍だったこともあってみなさん、イベント参加についていろんな方針があったので。

ため

「どうやって安全にイベントに参加するのか?」「本当にイベントに参加していいのか?」とか、意見がわかれそうやもんな。

Gloriaさん

コミュニケーションって、同じ国の人同士でも難しいことが多いですよね。
結局、言語や文化がちがっても同じでも、相手のことを理解しようとしたり、目的を共有しようとする姿勢次第なのかな、と思います。

Gina

Gloriaさんは「依頼して終わり」にしないですよね。取材の内容やTAMの状況を、ちゃんと知ろうとしてくださっているな、と思います。

市岡

その「姿勢」、台湾エクセレンスのチームでは、いつも感じます。
台北から新幹線に乗って、取材の現場に来ていただいたこともありますよね。

ため

台北を飛び出して、ほかの街にも行ってるのか〜!
そうやって、お互いのことを知ろうとする積み重ねが、今のような関係性をつくっていったんですね。

新しいチャレンジを続けられるモチベーションとは?

Leeさん

新しいチャレンジ、というと響きがいいですが、実際にやるのは時間も手間もかかります。
爲廣さんはTAMをつくって31年、どのように会社を成長させてきましたか?

ため

メンバーを「管理するルール」は、つくらないようにしています。

Leeさん

中国の「老子*」の教えにも似たものがありますね!

*老子第17章 理想的な君主は悠然としてめったに口を挟まず、人々が力を併せて事業を為す様にさせて、民衆が「我々の力で国が良くなった」と自らを誇れる様にするのだ。

ため

「勝手に幸せになりなはれ」というのがTAMのスローガンです。
僕は「成長する場づくり」に徹しています。そうするとメンバーは自分で何とかしようとして勝手に成長しますから。

Leeさん

新しいチャレンジにはリーダーではなく、「能動的に動くメンバー」が必要ですね。

ため

まさに台湾エクセレンスのプロジェクトは、メンバーが能動的に動いて「成長できる機会」そのものです。

市岡

「台湾エクセレンスのため」に何ができるかいつも考えていますけど、新しい企画を実現していくことは、「一個人の成長のため」にもなっています。

前田

たしかに、普段できないようなチャレンジは、自分の成長にもなります。
生配信でアナウンサーのように司会進行を担当したり(笑)、キャラクター「福熊くん」のパペットを作ったり・・・

ため

そんなことまで!?

キャラクター「福熊くん」のパペット。数々のコンテンツに出演している「売れっ子」だそうです。

Gina

台湾で生まれ育った私が、まさか日本の会社に入って、日本人スタッフと一緒にパペットを作ることになるとは思いませんでした。

ため

それは・・・想像できへんな(笑)
一人一人の「成長したい」でプロジェクトが動いているんですね。

Gloriaさん

これからもっと「台湾エクセレンス賞のロゴマークがあるから買いたい!」と日本の方に思ってもらうことを目指したいです。

Leeさん

台湾エクセレンスの受賞製品で、台湾の生活、日本の生活ーー世界中の人々のより良い毎日をつくっていきたいです。そのために、新しいことにチャレンジし続けます。

Leeさん、Gloriaさん
台北貿易センタービルの案内もしていただき、ありがとうございました!謝謝!

タムくん

いつでもお問い合わせください。

TAMにご興味を持っていただきありがとうございます。
専門性の高い多様なメンバーが揃ったTAMと、共創プロジェクトをはじめませんか?
ご相談・ご質問は、こちらからお気軽にお問い合わせください。